2021.07.11
いよいよ7月に入って本格的なレジャーシーズン到来。マリンスポーツ・ゴルフ・バーベキューにと、長時間に渡って炎天下に肌がさらされる機会も多くなってきます。ドラッグストアやコンビニの入り口でも日焼け止めがズラリと並んでいますが、ついつい選んでしまうのはSPF値・PA値が高いものではありませんか?紫外線の種類と性質を理解した上で対策を行うことが肝心です。
一言で「紫外線」と言っても、その波長の長さによって種類が分けられます。
紫外線A波は紫外線の中で、浸透性が高く、お肌にあたるとその影響は真皮まで達します。エネルギーはさほど強くない為、紫外線A波のダメージはすぐに目に見えません。しかし、ゆっくりと確実に細胞を傷付け破壊していきます。またガラスや、曇りガラスでも通り抜けてしまうので、日常生活で気づかないうちに紫外線A波の影響をうけてしまいます。
紫外線B波は中程度の浸透性の強いエネルギーを持った紫外線です。表皮まで届きませんが、強いエネルギーのため早い時間でそのダメージは大きく、皮膚が赤くなったり、ひどいやけどの様な状態にもなります。B波はガラスや曇りではあまり透過しませんが、強いエネルギーを持つため確実に防ぐ必要があります。
紫外線を浴びて、そのままにしておくとお肌はどのような状態になるのでしょう。
シミができる原因
シミは皮膚の色素である多量の「メラニン」が原因です。メラニンは本来、私たちの肌を紫外線や活性酸素から守ってくれる重要な物質です。メラニンは表皮のメラノサイトという細胞から作られ、一つ一つの皮膚細胞の核を、傘をさすように取り囲むことで、お肌を守ってくれます。
しかし、過剰な紫外線やフリーラジカル(活性酸素)により傷ついたメラノサイトは正常な機能を果たせなくなり、勝手に多量のメラニンを作り続け暴走状態になり、シミを作ります。
シワができる原因
シワは、真皮を支えるハリや弾力の元になっているコラーゲンやエラスチン、グリコサミノグリカン、線維芽細胞への、『紫外線やフリーラジカルによるダメージ』により生じます。
コラーゲンは分解されバラバラになって減少し、ハリを失います。エラスチンは切れたり、細くなってしまい、弾力性がなくなります。グリコサミノグリカンは段片化し、潤いが保てなくなります。
乾燥・敏感肌の原因
乾燥・敏感肌は、紫外線やフリーラジカルなどによって、肌がダメージを受けると、皮脂膜や角質層といったバリアゾーンが壊れてしまいます。
ダメージを受けた肌は角質層のバリア機能がなくなってしまうため、皮膚の水分が外に逃げてしまいます。また、角質層のセラミドや天然保湿因子が潤いを保てなくなります。
日焼け止めのSPFとPAの違い
皆さんが日焼け止めクリームを購入するときの指標として「SPF」と「PA」の数字を意識しているのではないでしょうか?この2つの数値の意味をご存じですか?
「SPF」は Sun Protection Factor の略語で主としてUVBによるサンバーン(赤くなる日やけ)の防止効果を表し、数値が大きくなるほどサンバーンの防止効果が高くなります。しかし、SPFが50程度であれば紫外線の強い場所や紫外線に過敏な人であってもUVBによる炎症を防止できるとの考えから、SPF測定法により測定した結果、SPFが50より有意に高い場合には、「SPF50+」と表示しています。「PA」は Proteciton Grade of UVA の略語で「UVA」の防止効果を表しています。 PAはUVAによる短時間で皮膚が黒くなる反応(持続型即時黒化)を指標にしたUVAの防御効果を表しており、「PA+」(UVA防止効果がある)、「PA++」(UVA防止効果がかなりある)、「PA+++」(UVA防止効果が非常にある)、「PA++++」(UVA防止効果が極めて高い)のいずれかで表示され、「+」の数が多いほどUV-A防止効果が高いことを示しています。 出典:日本化粧品工業連合会HPより
市販されている日焼け止めの多くはSPF30~50でPA++あたりが一般的です。最近では化粧下地にもSPF50という高い数値のものが多く出てきていますが、この数字を基準にした選び方は果たして正しいのでしょうか。
SPFがUVB(レジャー紫外線)に働きかける数値ということは皆さんご存じの方も多いかと思います。実はこの数字、単に紫外線を吸収する時間の長さを示している。SPF値が高いからといって肌を守ってくれる力が強いというわけではありません。
科学者たちはSPF15〜20を超えるものを決して推奨しません。それ以上になっても、紫外線防止成分の配合量が増えるだけで、効果が高くなるわけではないからです。「Dr.フェルナンデスのスキンケアのすべて 世界70ヶ国以上の人から愛される美容の真実」より引用
SPF値の高い日焼け止めクリームを塗っても、日焼けを防止するどころか肌の老化を促進してしまいます。肌へのダメージの少ないSPF値の低い日焼け止めクリームを、2~3時間ごとにこまめに塗り直すことが最も効果的です。
もし紫外線を多く浴びて赤くなってしまったら、刺激を与えないように気を付けて、患部を冷やして炎症を抑え、その後はたっぷり保湿をしましょう。
日頃から、紫外線に負けない肌を作るために抗酸化作用の高いビタミンA、C、Eを含んだ新鮮な緑黄色野菜や果物を積極的に摂ることをお勧めします。
そして、肌のターンオーバーのサイクルを乱さないために規則正しくストレスを溜めない生活習慣を心掛けましょう。